銀「𫝶」を追って台湾の古書へたどりつく


銀𫝶?

銀座ファンイーがあるビルは「銀𫝶凮月堂ビル」。和菓子の名店「凮月堂」のひとつです。 以前はビルの1階に凮月堂のカフェレストランがありましたが、現在は2階でよりディープな営業をしているようです。


写真は現在の銀𫝶凮月堂の店舗看板(というか表札)です。小さくてわかりにくいので、ロゴマークだけ拡大してみます。


座ではなく𫝶(人|人ではなくロ|ヌ)、座の異体字が使われています。 少数ですが同じ表記をたまに見かけます。 たとえば、中華料理店「銀座アスター」のロゴがこちら。


レトルトカレーのロゴにも異体字が。但し、テキストでの表記は「銀座カリー」のようです。


「𫝶」はどこから来た?

この異体字「𫝶」にはどんな起源があるのか気になります。 中国のサイトを検索していたところ「『宋元以来俗字譜』を見よ」という表記がいくつか見られました。


宋元以来俗字譜は、宋から清の時代に刊行された12の書籍から異体字を集め、正体字と対照させた資料とのこと。 調べてみたところ、台湾の国立図書館でPDF版が公開されているのを発見しました。


この中の23ページ(PDFの53ページ)に「座」があります。 見ていくと「𫝶」もありました。 明の時代に書かれた、かの有名な「金瓶梅」に記載があるようです。 ということで、「𫝶」は明の時代に作られ、中国から伝来した異体字だったことがわかりました。


ついでに、銀𫝶凮月堂の「」(中が「百」)についても調べてみました。 全国にある凮月堂ですが、実は「風月堂」ではなく、全て「凮月堂」なのです。ご存じだったでしょうか。


「風」は宋元以来俗字譜の106ページ(PDFの138ページ)にありました。 しかし、似たような異体字で「凬」(中が「一」に「日」)はあるものの、「凮」はありませんでした。 凮の方は、日本で生まれた異体字かもしれません。こちらは宿題にしておきます。